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惚れたら負け
歌様より強奪してきました! リクエスト応えてくれました!
なんでもいいけどなんでこんなに萌えるの。
口調とか問題ないむしろおk! 俺の中の公爵様のイメージがそのまんま小説に表れてて……ギャバン氏と公爵様の会話にはまりそうです。いやもう、なにこれ素敵!
お礼に空野からローズ嬢とアンジェ様の会話小説とか捧げてもいいですか…!?
... Read more ▼

「それで、その後はどうなんだ?」

 珍しい茶が飲みたいとやってきた、恐れ多くも友人として扱っていただいている、レナルド・リラ・ムッシュドウェール公爵のその一言に、淹れたばかりの東洋の茶を手にしたまま彼はぴたりと停止した。
 ギャバン商会の悪魔と、同僚達に密かに噂されているフェルディナンがその意味を分からないなどということはない。というかこういう口火の切り方だと、この公爵の場合、大抵“そのこと”である。が。彼は敢えてそらっとぼけた。
「どうぞ。あちらでは乞杏茶と呼ばれているようですよ」
 かちゃ、とごく僅かな音を立てて、ソーサーにカップを乗せ、白亜のテーブルに置く。レナルドは微妙に何か言いた気な眼差しを送ってきたが、ひとつため息をついてカップに手を伸ばした。
「ありがたくいただこう」
「お口に合うとよろしいのですが」
 そう言って、フェルディナンも席に着く。一介の商人が貴族、それも王家の血を組む公爵家のご子息と同席など普通ならば言語道断の作法だが、これもまたレナルドたっての希望なので、気にしない。ふわりと、座ったフェルディナンの目前に良い香りの湯気がたゆたう。上手く淹れられたようだ、と彼は満足した。実は初めて使った茶葉だったりする。こうして彼はたまに、融通の効くそれなりに懐が肥えた友人達で実験していたりもするのだが、今のところそれに気付いている人間は居なかった。僥倖である。
 ピチチチチ、と窓の外から小鳥の鳴き声がした。のどかな午後。なんとも心落ち着く時間だった。我ながら美味しい茶にほうと息をつく。まさにその一瞬後またもレナルドが言った。
「それでその後はどうなった」
 フェルディナンは沈黙した。
 ごくんと一息に熱い茶を呑み込む。
「ファイエット令嬢とのことだぞ」
 ちょっと砂糖でも入れてみるかな、と彼はシュガーポッドを引き寄せた。
「ああ、ヴィランジェ殿と言った方がいいのか」
 ぴくり、彼は微かに眉間に皺を寄せた。ほんの、微かに。鉄壁のポーカーフェイスをなんとか保とうと二杯目を注ぐ。
「それともアンジェ殿と、」
「――公爵こそ、ローズ様とはどうなさいました」
 ついそんなことを口にしてしまってから、彼は盛大に苦い顔になった。……しまった。
 レナルドは一瞬にや、と麗美な笑みを閃かせてから、しかし表面上むっとしたように眉根を寄せる。
「フェルディナン、いつも言ってるだろう。公爵はやめろ、レナルドと呼べ、と」
「あなた僕に殺されろと仰ってます?」
「何故そうなる」
「ただの商人が天下の公爵様を呼び捨てなんかしたら何をされるか。恐ろしい。だいたいこれでも矯正したんですよ」
「どこがだ」
「僕、と言ってます」
「それのどこが矯正だどこが!」
「何を仰る。それに昔より随分と気安い口調で話させていただいてますよ」
「まったく分からんぞ――じゃない。話を逸らすな。どうなった、と私は聞いているんだ」
 フェルディナンは憮然となった。ちっ、戻された。
 一口、ほんのり温くなった淡い色の液体を啜り、仕方なく答える。
「……相変わらずですよ」
「というと?」
「みなまで言わせないでください。……会った瞬間、壮絶に嫌な顔をされます」
 むっつりと不満気に付け加えれば、レナルドはぶっと吹き出した。そのまま高らかに笑う。……この人は。フェルディナンは眦を険しくした。
「公爵はどうなんです!」
「私か? 相変わらずあの方は可愛いぞ」
「聞いてませんよそんなこと! アンジェ様だってお美しいです!」
「というかだな、壮絶に嫌な顔ってお前、なんだそれは。晴れて想い叶ったんじゃなかったのか」
 半分笑いながら、半分呆れた風に言われて彼はぐっと詰まった。叶った。確かに想いは叶った。鬱陶しいくらいに口説き半ば引き込むようにして、――落とした。が、しかし。
 普通ならせめてもう暫くは熱冷めやらず、甘く微笑んでくれるだろうと浮かれていた自分は大いに甘かったらしい。むしろ自分の認識の方が遥かに甘いとはこれ如何に。これではギャバン商会の悪魔などとは聞いて泣く。
「あの方は滅多に僕の訪問を喜んではくださいませんよ。げ、なんでいる、みたいな眼で、ずずずっと後退るんです」
「照れ隠しじゃなくてか?」
「そんな可愛いもんじゃないです。話しかけようと近寄れば、『仕事なさったら?』。花を持ってこようかと尋ねれば『花は根ついてこそ美しいのではなくて? まあ少なくとも私にとっては、ですけど』、です」
「それは凄いな。……面白い」
「聞こえてますよ!」
 ぼそっと笑み含んだ微かな声につい声を荒げる。まったく他人事だと思って。はあ、と彼は肩を落とした。彼女の態度は想い合ってからも変わらずにべもない。そろそろ心が折れそうだった。
「それでよく続いているな」
「……まあ、お茶だけは、飲んでくださるんですよ。誘った時はものすごく面倒な顔をなさるんですが、受け渡すと嬉しそうに味わってくださいます」
 脳裏に思い浮かぶのは、ふわりと無防備に笑う小女の顔。それは彼女にしては破格の笑顔だ。美しい、夜空にかかる白い月のような彼女の、確かにそこにいるのだと理解出来る笑み。それにうっかり理性の箍が外れて抱きしめると思いっきり殴られるのだが。
「……さりげなく惚気たな」
「そういう話題でしょう。というかこれしか惚気ることがないってことの方が問題なんですよ」
「ああ、それもそうか……哀れな」
「だからそういう眼で見ないでください! ああもう僕の話は良いんです、それで公爵の方はどうなんですか?」
「だから言っただろう。彼女は相変わらず可愛い」
「答えになってませんよ……」
 がっくりと項垂れてティーポッドを取る。カップの方はもう大分冷めてしまったが、こちらはどうだろうか。ぱかりと蓋を開けると、芳醇な香りと湯気が漂う。新しくしたばかりのこのティーポッドは以前のものより保温性が高いらしい。それでももう煮出し過ぎて苦くなっていると知りながら、フェルディナンは三杯目を注いだ。レナルドのカップにも注ぐ。少しくらい苦い思いをすればいい、とは言わないでおく。
 二杯目を一口飲んだレナルドは一瞬微妙な表情になったが、すぐに深々とため息を吐いて呟いた。
「それにしても。名前を呼ぶだけでそんなに反応するとは、お前も大概独占力が強いな」
「余計なお世話です!」
 叫びつつ、彼の一番の敗因は己がヴィラアンジェに惚れてしまったことだとフェルディナンは心中で頭を抱えた。
 
 古来より言うではないか。
 惚れてしまった方が負け、と。
Secret
(非公開コメント受付中)

ぎゃああああ、あ、あわわわ、こんなものを貰ってくれて本当に有難うございます……っ!せ、正視に堪えんorz

公爵様、崩れてなかったようで、本当に良かったです!もうそこがドキドキで…(笑)

!!!
欲しい!欲しいです!とってもとっても欲しいです!(←
もしよろしければ是非とも拝読しとうございます~~!!

……な、何やら我が儘だけ主張しまくってしまって…ごめんよ!;;
Re: タイトルなし

もう読んだ瞬間に余裕でお持ち帰りでした☆
気づいたらがーっとコピーしてたです、そして己の欲がままに記事を投稿しました(フッ

公爵様ぜんぜん問題ないよ! むしろまんますぎて俺感動(感涙
ならば歌にささげる小説として書くんだぜー!
歌にはぜんぜん適わないものになるけど、よかったら受け取ってくだしあ^^*
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空野海

Author:空野海
since:2009.3.21
生誕:2月14日

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