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椿様から☆王宮ラブロマンス小説
雪を照らす月の光さまから、王宮ラブロマンス小説をいただきました!
とても素敵ですっ…! 王妃様は謙虚ながらお美しく、陛下は好青年の方でもうもうっ(´▽`*
なぜこんなにも萌えるのでしょう! 王宮って!(こら
... Read more ▼
「お妃様!!外にいてはお体に負担がっ...!」
「大丈夫よ。そこまで不安がらないで。たかが庭園に出ただけでしょう?」


そう。
たかが庭園よ。大げさすぎるのよみんな。たかが風邪くらいで。
....そうよ、これは風邪よ。
絶対に、治してみせるんだからっ...

一瞬怖い顔つきになってしまったからか、侍女のカエラの肩がビクっと跳ねた。
...いけない。つい裏の性格が出てしまいそうだったわ。


「...風が寒くなって来たわね。中へ入りましょうか、カエラ」
「あ、はい」


部屋に上がり込んで、私はベッドに入り込んだ。といっても座ったままの状態で、目の前には私の好きな紅茶が置かれているトレイがある。
一口飲むと、ほのかな苦みと甘みが口の中に広がって行く。
おいしい...


「やっぱり、カエラの淹れるお茶は絶品だわ。すごくおいしい」
「お妃様にそんなこと言ってもらえるなんて光栄です♪」

ふ、と笑いが溢れる。
カエラは、本当に可愛い子ね。
.......そういえば、彼は、今頃どうしているのかしら...


「.....陛下は、どこにいられるの?」


私の疑問にカエラは一瞬驚いた顔をした。
私があまり陛下のことはお話にならないからね、きっと。


「え、と、今はお忙しいためずっと政務室に籠っていると、兵士の方が仰っていましたが...」
「そう...」


....残念だなんて、思っちゃいないわ。
彼は、私のことなんてちっとも想ってくれていないもの。子供を身ごもれば、それで充分なんだから。跡継ぎを生めば、私にはきっともう用なしよ。所詮、私はその程度の存在。
彼に取って、その程度の存在しかないのよ。


「お妃様....」
「...泣いてないわ。ゴミが、...目に、ゴミが、入っただけよ....!」
「...........」


何、今更こんなので泣いてるの私...!!
前から分かっていたことよ。彼が私を妃にしたのは、他の妃候補よりも真面目そうであまり彼に関心がなさそうだったからなのよ。そんなこと、分かりきってる。

私の泣き顔を見てカエラが少しだけ微笑んだ。


「わたくしは、お妃様が皇室に来た頃からお使いしております。ほかの妃候補にはない凛々しさや、陛下に対して関心を見せない精神的強さにはとても憧れていますわ♪」
「カエラ.....」                                   ひと
「ですが、時には泣いてしまってよいのです。無理はしなくてもよいのです。自分の恋する男が、形でしか自分と一緒になってくれず、心から自分のことを見てくれないと思えば、誰だって悲しくて、涙を流すのです」
「か、エラ...」


この子、本当に侍女なの?
こんなに心に響く言葉を言ってくれるなんて....
私が少し困惑した表情をしていると、カエラはニコッと笑った。


「たかが侍女のわたくしがこんなことを言うのも変だとお思いになるでしょうが、わたくしは一度そんな想いをしたことがあるのです」
「えっ...カエラが...?」
「はい。わたくしが王宮に来る前のことですが、あの時は、胸が張り裂けそうだったのです。彼は、わたくしがどれだけ彼のことを想っていると分かっていながらも、違う女の方の所へ言ってしまわれたのです」
「そんなっ...!酷い!」


私が言うと、カエラは私の手を握って微笑んだまま見上げて来た。


「ですが、お妃様の場合は違いますわ」


唐突にそんなことを言うので、私はつい動揺した声を出してしまった。
彼だって....レナル陛下だってもしかして私じゃない女の人を想っている可能性だってゼロじゃないわ。


「ど、どうして...そんなことが言えるの?」
「陛下は、ちゃんとお妃様のことをお想いになっていらっしゃるもの♪」
「だから、どうしてそんなことが―」
「あ、もうすぐ陛下がお見えになります。お邪魔ですので退室させていただきますわ」
「ちょ、カエラ!」


言いたいことだけを言い残して勝手に部屋から出て行ってしまう。
.....元々他の侍女にはない神秘的な瞳に惹かれて私専用の侍女にしたんだけど、本当に不思議な子。
....それに、陛下が来るわけがな―


パタン


と先程カエラが閉めたはずのドアが開いた。反対側を向いてしまったのでもう一度体を元に戻して、ドアに立っている人物を見て心臓がとまるかと思った。
っていうか実際とまった気がする。いや冗談抜きで。
だって、だって彼自らが私に出向くなんて、あるはずがないもの。

......でもどれだけ目を凝らしても、確かにそこに立っているのは黒髪に緑の瞳のレナル陛下だ。


「.....陛下?」
「具合はいかがだ?サリア」


近づきながら優しく名前を呼ばれただけで心拍数が上がってしまった。
何なのよ一体っ...!!っていうかカエラはどうやって陛下が来るって分かっていたのよ!!あの子ってば後で絶対に問いただしてやるわ!
少し苦しかったけど、上半身だけ起こすと、陛下はニコッと笑って側にある椅子に腰掛けた。
え、ちょ、どうして、こんなことしてる暇なんて....


「陛下?あの、わたくしには構わず政務の方を、」
「終わらせた。心配はない」


.....終わらせた?
いや、ちょ、政務って終わるようなもんじゃないと思うんだけど....


「あの、政務って終わらせるようなものではないと思うんですが...あっ、あの、もしもわたくしなどのために時間を割いているのでしたら、本当に必要ありませんよ?わたくしは平気ですので―」


ふわっと頬に触れた手に言葉がとまった。

ちょっと、待って。

今、私の頬に、陛下の手が、触れてる?

え、何これ夢?私が病気だから心配してくれてるの?そうなのね?そうよねきっと。彼は優しいけど、こんな私に触れるとか今までに起こったことがないし。っていうかそれ以前に人に触れるの嫌がるような人だし。だったらなんて王になったか大きな疑問よね王になったらいろいろな人に触れないといけないしってそれだけ聞くとすごく嫌らしいけどそういうことじゃなくてって話題それてるしっていうか私ちょっと動揺しすぎよこんな彼の指が触れてるくらいで、って指が触れてる?私の頬に彼の指が触れてるのよ動揺もするわよってああもう落ち着いてわたし―


「平気にわけがあるか。病にかかっているのに」


......そんな、そんな泣きそうな顔をしなくても....
たかが、風邪なのに....そうよ、ただの、....ただの、風邪、よ...
私が思わず黙り込むと、陛下は私の顔を両手で包んだ。
顔が赤くなる。


「へ、陛下っ」
「サリア」


囁くように名前を呼ばれて心臓がドクンと波打つ。
ちょ、そんなふうに呼ぶの禁止....!


「すまない」


唐突に謝罪の言葉が出て顔から彼の手を離そうと彼の腕を掴んでいた私の動きはとまる。
...どうして謝るの?


「そんな、何を謝っているのです?陛下がわたくしに謝るなど、そんなことをされなければいけない覚えは―」


ふわっと体が何かに包まれた。
目の前に白が広がるのを見て、私の脳は今何が起こっているのか解釈するまで時間がかかった。
陛下の腕の中にいるんだと気づくまでしばらくかかった。
え、ちょ、私抱き締められてる!?


「へ、陛下!?ど、どうなさったのです、らしくもない!」
「悔しいのだ」
「....え....な、何がです?」


「お前の病気を治すことができないのが、悔しくて悔しくて堪らない」


余計に私を包んでいる腕に力が込められて、私は彼の台詞にも、行動にも言葉を失ってしまった。
....病気のことは、今更驚きはしない。薄々気づいていた。


私の病気が、『不治の病』だということに。


「....陛下。わたくしは、ずいぶん前から不治の病にかかっております。今更陛下が悔しがるほどのものでもないのですよ?」
「...だが、いずれいなくってしまうだろう...?」


ふと力が弱められて、彼の両手で上を向かされる。
美しい青の瞳と目が合って、視線をそらせなくなってしまった。


「い、いなくなるなど、っ!?」


気づいたら口が封じられていた。しかも陛下の唇で。
ちょ、ちょっと待ってよ、どうしたのよ陛下!普段も優しいけど、そんな、私のことを好きでもないのに、どうしてこんなことをっ!

口が離されると、私は思わず彼の胸板を押してしまった。
強く押したわけではないが、陛下の動きが少しとまった。


「い、一体どうなされたのですか?陛下。ひ、人に触れるのを、あ、あそこまで嫌がっていた陛下が」


私の言葉に陛下は少し下を向いた。


「俺はバカだったのだ。お前を、お前を傷つけたくなくて」
「...わたくしを、傷つける?」
「好きでもない男と結婚をさせるなんて、したくはなかったのだ。だが、好きな女があれだけ身近にいたのに自分の物に出来ないのに耐えることができずに、お前を後宮から連れ出したのだ」
「え、.....す、好きな、女?」


ちょっと待って陛下。
それは下手するとあなたが私のことが好きなように聞こえるからちょっと止めていただけませんか?好きな女ってあれですよね。友情的な意味ですよね。きっと。うん。
だめよサリア。舞い上がってはだめよ。


「好きでもない俺と結婚をさせて、傷つけたくなかったから、今まで触れていなかったのだ。だけども...、お前が、あまりにも身近にいて、俺が近くにいれば自然体で接してくれるから....お前に、惹かれてしまったのだ」
「.....へい、か....」


信じられない。
今、目の前の国王陛下が自分に告白をしている。
いや、結婚しているから告白とかそういうのも今更って感じもするかもしれないけど....。妃なんてただの形で、国民が早く子供を身ごもってほしかったから、だから私と結婚したのだと、思ってた。

私を想ってくれてる。

陛下が、私を。

――ああ、
これだけで病気が治らなくてもいいとすら、思ってしまう


「....陛下」
「なんだ?」
「わたくしは、後宮にいる頃からずっと、陛下をお慕いしております。好きでもない人と結婚をしたのだと思っていたのは、わたくしの方でございます」
「........」


まるで信じられないものを見る様な目で、陛下は目を丸めて私を見つめた。
すると、そっと私の頬に触れた。ピクリと反応した私に一瞬戸惑ったようだが、もう片方の手で私の頬を包む。


「こんなに、こんなに近くにいたのか」
「...はい。わたくしは、ずっとここにいました」


言い終わると同時に、大好きな温もりに包まれた。
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空野海

Author:空野海
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生誕:2月14日

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